科学随想の歴史を伝承し、文理の壁を取り払う

雑誌 「窮理」 のご案内

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雑誌 「窮理」 について

本誌は、物理系の科学者が中心になって書いた随筆や評論、歴史譚などを集めた、読み物を主とした雑誌(年間不定期刊行)です。

誌名の「窮理」とは、「理を窮め性を尽くし以て命に至る」という周易 説卦伝の冒頭に由来する言葉で、江戸時代の儒学者や蘭学者たちによって、現在の物理学に近い内容を指すものとして用いられました。

幕末・明治期になると、緒方洪庵や福沢諭吉らによって「窮理」はさらに西洋科学の根幹学問として広められ、これが次第に「物理」に代わっていったという歴史的背景があります。

長い歴史の中で、それぞれの時代の思潮に育てられながら、日本の将来を託すべき新しい文明精神の指標として、窮理の思想はつくられてきました。

このような背景の下、21世紀の現代に、新たに、本来あるべきその哲学的思索の道を切り拓くべく、本誌を創刊いたしました。

寺田寅彦や中谷宇吉郎、湯川秀樹、朝永振一郎といった先人の物理学者に倣って、科学の視点に立ちながらも、社会や文明、自然、芸術、人生、思想、哲学など、幅広い事柄について自由に語る場を、広く読書家の方々と共有していきたいと考えております。

表紙と裏表紙

本誌の表紙と裏表紙には、科学者の先生が描かれた絵と、中国唐代の書家 褚遂良(ちょすいりょう)の『雁塔聖教序』(がんとうしょうぎょうじょ)から採った題字を載せています。

これらを通して、科学と芸術が交わる雰囲気も、ゆっくりとした時間の中で、読者の皆様に味わっていただけましたら幸いです。

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